野生動物の保護対策

野生動物の保護対策

会の活動

会の活動

傷病野生鳥獣救護活動
(長崎県野生動物救護センター)

 人間の社会活動が活発になるに従って、都市開発、道路整備、港湾整備等で、野生動物の生活環境は分断され悪化の一途をたどっています。
 また、一方では、農村の高齢化、過疎化により、山林の荒廃、耕作放棄地の増加、里山の消失により、餌場や繁殖地が減少し、生息数が激減、または絶滅の危機に瀕している鳥獣も少なくありません。
 その中で、野生動物とヒトとのトラブルが多発し、傷ついたり、衰弱する動物が後を絶ちません。
 長崎県獣医師会では、県の委託を受けて、平成12年度から「野生動物救護センタ-」を開設し、救護活動を行っています。

救護センターの仕事

 ヒトの生活活動に起因する事故、もしくは、衰弱した野生鳥獣を一時的に保護し、必要な治療を行い、給餌、リハビリをおこない、野生復帰させます。

救護センターが対象とする動物

 野生のほ乳類、鳥類

救護センターが原則、取り扱わないもの

家畜・家禽

牛、豚、馬、羊、鶏、アヒル 等

ペット(野生化したもの、籠抜け鳥を含む) 及び外来生物

犬、猫、家ウサギ、アライグマ、インコ、ドバト、台湾リス、ソウシチョウ 等

有害鳥獣(市町ごとに指定する、駆除対象鳥獣・・・市町の農業振興担当課へ)

カラス、タヌキ、イノシシ、ヒヨドリ 等

海獣類

イルカ、アザラシ、鯨 等

救護の流れ

ケガをした野生鳥獣を発見したら
まず、ヒトの手助けが本当に必要かどうか判断してください。軽傷の場合は自然に治ってしまいます。ヒナ(幼獣)は、親が餌を与えに来ます。心配な場合は、近くの植え込み等に隠す程度にとどめて、出来る限り手を出さないでください。

「ヒナを拾わないで!」

保護したら、以下の機関に連絡して指示を仰ぐ、または持参してください。

救護の流れ

救護実績(令和5年度)

種類数 救護数
鳥類 30種 86羽
獣類 2種 2頭

ハイタカ

ハイタカ

平成15年12月1日大村市にて保護
左翼上腕骨骨折
4日目死亡

フクロウ

フクロウ

平成20年1月8日、諫早市にて保護
壁に激突したとみられ、首が後ろに曲がっている
左目のまぶたが開かない
16日目に死亡

セグロカモメ

セグロカモメ

平成13年6月29日、福江市(現五島市)にて保護
テグスが足に絡まり、食い込んでいた
32日で放鳥

シロエリオオハム

シロエリオオハム

平成20年1月26日、対馬市豊玉町にて保護
羽毛が油で汚染。洗浄後体力の回復を図り
18日目で放鳥。

アオバズク

アオバズク

平成27年5月13日、長崎市で保護
頭頸部打撲によると思われる両脚麻痺で歩行困難
23日目に死亡

アカショウビン

アカショウビン

平成28年6月7日、諫早市で保護
左上腕骨骨折で飛行不能
10日目に死亡

ハヤブサ

ハヤブサ

平成31年1月11日、長崎市で保護
左手根関節部外傷で飛行不能
治療、リハビリにより225日目に放鳥

カワリシロハラミズナギドリ

カワリシロハラミズナギドリ

令和2年9月10日、長崎市で保護
衰弱重度で飛行不能
24日目に死亡